2025年3月上旬、春の気配を感じ始めた長崎へ再び足を踏み入れました。今回の旅の目的の一つは、6年ぶりとなる軍艦島(端島)への上陸です。

かつて海底炭鉱として栄え、現在は廃墟となったその異質な風景は、一度訪れた者の心を深く捉えて離しません。2度目の上陸を通して感じたこと、そしてツアー選びのポイントなどを詳しくレポートします。

会社選び

長崎には、軍艦島上陸ツアーを開催している会社が5つくらいあります。これらの公式に許可されている会社のツアーでないと上陸できません。昔は漁師さんにお願いして連れて行ってもらったりとかもあったようですが(羨ましい)。

AIに作ってもらった比較表が以下。ちゃんと確認はしていませんが、だいたい合っているはず。

ツアー会社名大人料金(目安)出発地ツアー時間上陸まで主な特徴・ハイライト
軍艦島コンシェルジュ5,000円~11,000円常盤港約2時間45分約45分充実した解説、高い上陸率、デジタルミュージアム併設
高島海上交通(軍艦島クルーズ)3,910円~4,000円長崎港約3時間10分約45分高島への上陸と石炭資料館見学、比較的安価
やまさ海運4,500円~長崎港約2時間30分約45分大型船、豊富な経験と実績、修学旅行での利用多数
シーマン商会3,600円~3,900円常盤2号桟橋約2時間30分約45分少人数制、アットホームな雰囲気、周遊チャーターあり
第七ゑびす丸(アイランド号)5,250円~(1名あたり、人数により変動)野母崎約1時間30分約30分最短ツアー時間、元島民ガイドの可能性

前回は「軍艦島コンシェルジュ」を利用しましたが、今回は高島海上交通の「軍艦島上陸クルーズ」を利用しました。

  • わりと安い
  • 道中で高島に寄ってくれる
  • 乗船場所が宿泊地から最も近い

という利点がありますが、最大の理由は他に予約が空いていなかったからです。幸い、その日は雨の予報が出ていたためか予約枠にかなり空きがありました。

乗船

今回乗船するのはこちらの船です。

乗船待ちをしている横で、海底から岩を引き揚げる(?)作業をしていました。

いざ乗船。長崎港の景色を眺めながら、外海へ向かいます。

いい位置を確保するために早めに並んでいたこともあり、2階に一番乗り。座席があると聞いていたのですが、ありませんでした。立ち見だと疲れちゃうかなと思いましたが、良い景色には代え難い。

ガイドを聞きながらPOIを撮影していくのが、ゲーム感覚でとても楽しかったです。ポケモンスナップとか、マリオサンシャインのジェットコースターみたいな楽しさを思い出しました。

イージス艦はぐろらしい。

女神大橋のたもとにぽつんと神社が。

いつか行ってみたい。

道中、鳥が並行して飛んでくれたので頑張って撮影しました。背景の灯台がボケてすごくいい感じになった。

9:10 に港を出発。30分くらいで高島に到着。

高島では、石炭資料館を見学することができます。かつて炭鉱で栄えた高島の歴史を学ぶことができ、軍艦島の成り立ちを理解する上で有意義な施設でした。

資料館には、当時の採掘の様子や、島で働く人々の生活に関する展示があり、軍艦島への期待感も高まります。また、屋外には軍艦島の模型も展示されており、上陸前にその全貌を把握するのに役立ちました。なんというか、上陸前のブリーフィングみたいな感じでテンションが上がります。

坑道の3次元模型。右上にちっちゃく見えるのが軍艦島。スケール感がすごいです。本物のブランチマイニングって感じ。

ガイドさんの説明によると、軍艦島の歴史は1890年に三菱の岩崎弥之助が端島を買収したことから本格的に始まったとのこと。それ以前も小規模な海底炭鉱として利用されていたそうですが、三菱による大規模な開発によって、現在の軍艦島の姿が形作られていったのです。

高島にはなぜかやたら猫がいた。多くの観光客と接してきたからか、人間を警戒する素振りがまったくなかった。

今回は反時計回りに島を周遊するとのことだったので、早めに乗船して左前方の位置を確保。基本右側が良いと聞いていたので、ちょっと驚いた。

軍艦島が見えてきた!

さて、軍艦島はアニメ『ケムリクサ』の聖地でもあります。

もしあなたがケムリクサを視聴済みならば、有志が作成してくれた上記のマップと比較しながら見るとより楽しめるはず。

写真の中央右側にあるのが65号棟。左側が70号棟。

上記の写真と方角を合わせて上空から見ると、こういう位置関係になっています。

70号棟をアップで。前回の来訪時にはケムリクサは第9話までしか放映されていなかった(第10話の最速放映が 2019-03-13(水) 22:15)のですが、全話見た今となっては70号棟に対する思いがだいぶ変わってきます。

端島に学校は一つしかないし、窓の形も一致するのでこのシーンは70号棟の内部で間違いないでしょう。

ぐるっと周遊し、西側から見た図。

軍艦島という愛称は、この西側からの見た目が軍艦に見えることから与えられました。しかし、当時の島民には馴染まなかったそうです。というのも、島で生活する人は基本的に東側から船で行き来するから。西側からこのように眺めることがほとんど無かったらしい。

島に近づくと、驚いたことに釣りをしている人たちの姿が!一体どうやってこんな場所に来たのだろう?そもそも釣りは許可されているのだろうか?疑問に思いましたが、調べてみると、「第七ゑびす丸」のツアーには、軍艦島の周辺で釣りを楽しむことができるコースがあるとのことでした。

上陸

天気予報は雨でしたが、幸運にも空は晴れ渡り、風もほとんどない絶好のコンディションで上陸することができました。前回は、天候がギリギリまで不安定で、上陸できるかどうか不安な状況だったので、今回は本当にスムーズに上陸できて嬉しかったです。また、前回はひどい船酔いに苦しんだのですが、今回は全く大丈夫でした。助かった。

貯炭場を南西から眺めた図。ここからは、ガイドさんの話を聞きながら観光用通路の奥まで向かいます。

ガイドさんによれば、2年前に大きな建物が大きく崩壊したらしい。つまり、自分の前回来訪時から大きく変わっているということ?

というわけで、前回撮った画像を引っ張り出してきました。

思ってたよりだいぶ派手に崩壊している…!そして確かに、崩れたのは6年前の時点でもちょっと風化が進んでいるように見える領域ですね。

「軍艦島はどんどん崩壊していくから、定期的に見に来た方が良い」という言葉は、観光客を惹きつけるための宣伝文句だと思っていましたが、今回の訪問で、それが現実であることを痛感しました。

観光用通路の奥までたどり着いた後は、通路を戻りつつ15分の自由行動……なのですが、ガイドさんがしてくれる補足説明が面白くてずっと聞いてしまいました。

第二竪坑入坑桟橋跡。ここでボディチェックを受けてから、桟橋を通って入坑口に進むらしい。

灯台は近年新たに建てられたもの。新旧の対比って感じがしていいですね。

瓦礫の山。赤いレンガは倉庫の壁だったものらしい。

時間ギリギリで乗船し、帰りの船の中では同じく一人旅でやってきたという方と雑談をしながら過ごしました。これもまた、一期一会の旅情って感じがして素敵な時間でした。

帰港。長崎は起伏に富んでいて見ていて楽しいです。住んでる人は大変なのでしょうが。

まとめ

というわけで、軍艦島を6年ぶりに訪れた感想でした。

6年ぶりに訪れた軍艦島は、前回と変わらない荒々しい姿を見せてくれましたが、同時に確実に風化が進んでいることも実感しました。特に、以前はまだ比較的原型を留めていた建物が崩落しているのを目にすると、時の流れを感じずにはいられません。

前回の訪問時も、その異様な光景に圧倒されましたが、今回はアニメ『ケムリクサ』をすべて視聴してから訪れたということもあり、以前とはまた異なる感情を抱きました。特に70号棟を見たときは、アニメのワンシーンが鮮明に蘇り、胸が熱くなりました。 聖地巡礼が主目的というわけではありませんでしたが、作品を通して軍艦島に興味を持った身としては、感慨深いものがありました。

Tips

ツアー自体は、前回利用した「軍艦島コンシェルジュ」も良かったですが、今回の「高島海上交通」も満足できる内容でした。特に、高島に立ち寄って石炭資料館を見学できたのは、軍艦島の歴史をより深く理解する上で非常に有益でした。また、料金も比較的安価で、乗船場所も便利だったため、今回の選択は正解だったと思います。予約がたまたま空いていたからとはいえ、結果的には良いツアー会社を選べたなと感じています。

  • 手厚いサポートと高い上陸率、そして軍艦島デジタルミュージアムも満喫したいのなら「軍艦島コンシェルジュ」
  • そうでないのなら「高島海上交通」

を選ぶのが良いのかなと思います。個人的には、高島海上交通の地元密着感はとても好印象でした。

また、どの会社を選ぶにしても、基本的に進行方向の右側に乗ると良いです。というのも、港を出るまでのPOIは基本的に右側に集中しているのです。軍艦島に到着する際も、航路の都合上たいていは船の右前方から見えてくるはずです。

長崎を訪れる機会があれば、ぜひ軍艦島上陸ツアーに参加してみてください。実際に自分の目で見て、肌で感じることで、写真や映像だけでは伝わらない、圧倒的な迫力と歴史の重みを感じることができるはずです。ただし、島は常に風雨に晒されており、いつまでその姿を保てるかはわかりません。興味がある方は、早めの訪問をおすすめします。

さらば軍艦島!次はいつ来られるかな…

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