この記事にはFactorio Space Ageのネタバレを含みます。

最近Factorioにハマっています。

小さい頃にMinecraftの工業化MOD(IC2)をプレイしていたので、絶対にハマるだろうと予測して逆に回避していたのですが、ついに手を出してしまいました。

予想していた通り、プレイするべきではありませんでした。

初回起動時はぶっ続けで32時間プレイ。当然のように体調を崩しましたが、それでもFactorioをプレイし続けた結果、風邪が治るのに2週間もかかってしまいました。

流石に反省してもう連続24時間以上プレイしないよう気をつけていますが、それでもここ一ヶ月の土日は全てFactorioに費やされています。

現在の進捗

現在、内側の3つの惑星、Vulcanus、Fulgora、Glebaへの拡張を完了しています。

次に目指すはAquiloですが、ブリーフィングを読む限り自給自足が不可能な惑星とのことなので、まずは既存のインフラを整えることにしました。

現在の星間物流ネットワークはこんな感じになっています。

科学パックのNauvisへの輸出と、生活の質に関わる最低限のアイテムはだいぶ安定して輸送することができるようになりました。

しかし、Bio labの入手により科学パック需要が爆発的に増大し、基本的な科学パックの供給が大幅に不足しています。

そこで、基本科学パックの中でも上位のものは、材料が潤沢にある惑星に生産を移すことを検討しています。鉱脈への依存を減らし、小惑星、溶岩、生物といった本当に無限の資源を活用することも目的の一つです。

計画はこんな感じ。

喫緊の課題として、まず石を大量に消費する紫科学の生産拠点をVulcanusに作ります。ついでに、紫科学もVulcanusで生産するのが良いかなと思っていますが、これはGlebaの方が良いかも。

もう一つの真に喫緊の課題として、Glebaの基地防衛を固めるタスクがあります。大砲で胞子雲の内側に五脚類が入ってこないようにしてあるため襲撃頻度は極稀ではありますが、ゼロではありません。

現状では農業タワーと主要工場の周辺に数台のテスラタレットを配備しているだけとなっています。これまではこれで十分でしたが、Glebaの進化係数は既に50%を超えています。 Glebaからプラスチックを輸出するとなれば、収穫頻度の増加により胞子雲の拡大が予想されます。それに伴い、より確実な防衛線を貼る必要があるでしょう。

五脚類に対する防衛には、テスラタレットが抜群に強力そうです。そのため、Fulgoraからテスラタレットを大規模に輸入しなければなりません。テスラタレットは弾薬が不要なため、恒常的なFulgora-Gleba便を設定する必要は無いかもしれません。が、防衛線を構築した後も損失は少なからず発生するだろうし、うまく設計さえすれば無限の資源が手に入るGlebaの基地は今後大幅に拡大したいと思っているので、兵站を整えておく価値はありそうです。

あまり重要度の高くない課題として、黄科学生産をFulgoraに移すことを検討中です。黄科学生産に必要な素材は発展的なものが多く、スクラップから作るのが効率的だからです。

ただ、Aquiloに到達していない現状では、Fulgoraの狭い土地は大規模な生産には向かないかもしれません。

各惑星の状況はこんな感じです。

Nauvis

無計画な拡張を重ねた結果、スパゲティとボットの大群で埋め尽くされた状態となってしまいました。PCにとって良くないし、美しくない。

あまりにもグチャグチャですが、図にするとこんな感じ。

そこで汎用的な鉄道網を構築し、生産品毎にモジュール化された状態を目指しています。

Vulcanus

最初に訪れた惑星。この時点では各惑星に本格的な工場を作るという発想がなく、とりあえず脱出してNauvisへ帰還するための最低限の自動化しかしていない。結果として、最も発展が遅れている惑星。

タレットスパムと大砲の飽和攻撃で、何度かセーブ&ロードすれば中型ワームまでは対処できるようになった。溶岩のない広大な土地が余っている。それもあって、Vulcanusを大改造したいという思いがある。

惑星のテーマとしては「全てが液体だったらどうなる?」ということなのだろうが、ベースゲームから大きくルールが変わる点はそれほど無いため、面白さとしては今のところそんなにわかっていない。とはいえ、大砲で初めてワームを倒した時は強烈なカタルシスがあった。

人間は領土拡張の喜びには抗えないのだと思う。

Fulgora

2番目に訪れた惑星。小規模で不完全ながら、品質の高いアイテムの生産を担っている。高品質の生産品は、品質モジュール(最重要)、それ以外のモジュール、宇宙プラットフォーム施設、電柱、ソーラーパネル、アキュムレータ等。

過去に栄えていた文明があったというロアが大変良いし、リサイクルのメカニズムによってNauvisとは全く違うプレイを強要される感じがとても面白い。

大きな島の南北に8本の寿司ベルトによるメインバスを通し、必要な素材はインサータで濾して取ってくるような形にしている。回収されることなく極北に到達した素材は最終処分場で蒸発させている。

実はあまり安定しておらず、たまに面倒を見に行かないとベルトが詰まって機能不全に陥ることがある。また、どういうわけかホルミウム鉱石が余り気味。もっとFulgoraの特産品を作るべきなのかも。

そういった事情もあり、寿司メインバス上のアイテム数と最終処分場に送られるアイテム数については回路ネットワークで監視し、これらが閾値を超えたらアラートを発報するよう設定している。

Gleba

3番目に訪れた惑星。攻撃的な敵が居るということや腐敗メカニズムが難しそうだったので、一番最後に回した。現状では農業科学パックとNauvisの飼育Biterの餌としてのBiofluxのみを定常的に輸出している。

実際、Glebaはかなり難しかった。「栄養素が多すぎても少なく過ぎてもダメ。Glebaは甘やかされた(spoiled)子供だ」と表現されているのを見かけたが、個人的には「Glebaはゴードン・ラムゼイだ」と言った方がしっくりくる。

栄養素が完全に尽きる、ベルトが生産物や腐敗で詰まるといったちょっとのミスでシステム全体がシャットダウンし、その対応をしている間にも着実に五脚類の進化係数は上昇していく。

特に辛かったのは、“Fuck around and find out”的な漸進的な開発が許されないこと。動作をイメージしながら設計し、ほぼ完成したところでようやく果物を流し始める必要があり、普段のプレイスタイルを根底から変えなければならなかった。

そんなわけで一番辛い惑星だったのだが、システムが安定動作するようになった時の満足感は素晴らしかった。もはや工場というよりも一個の生命体を創り上げたという感覚で、10分くらいうっとりしながら眺めてしまった。鮮度と腐敗のメカニズムを導入しただけでここまで感覚が変わるのかと驚いた。

果物は無限の資源であること、生産物のレシピ自体は他の惑星に比べてかなりシンプルになっていること、入力に対する出力の比がとても大きいことから、うまい設計さえできれば簡単に莫大なアイテムを生産できそう。そのようなプレイ上の利点もあって、今はもしかしたら一番好きな惑星かもしれない。

工場の仕組みとしては、果物を乗せたメインループ寿司ベルトから各サブループ寿司ベルトに果物を供給し、寿司ベルト内では全ての素材と生産物をごっちゃに扱っている。それぞれのループは入出力以外は完全に独立しているので、どこかで機能不全が生じてもシステム全体が停止することはない。腐敗や生産物はフィルタ付きインサータで除去し、腐敗はシステム停止後の再起動用の一定数を除いて焼却するようにしている。

Glebaでは回路ネットワークの活用を頑張った。各寿司ベルトはその上のアイテム数をチェックし、果物供給用のメイン寿司ベルトは農業タワーを、サブ寿司ベルトは果物供給インサータの動作をスイッチできるようにした。

大砲を輸入して胞子雲内の巣を一掃したので、今のところ基地防衛に問題はない。しかし進化係数は既に大型五脚類が出現しうる値となっており、もしEgg raftを攻撃すれば、反撃によって基地全体が破壊される(そのような並行世界を経験済み)。そのため大砲は動作を停止させている。射程圏外から胞子雲へじわじわと五脚類が接近しつつあるため、危機は目前に迫っている。時間切れになる前に防衛を整えなければならない。

Factorioの何が面白いのか

Factorioは「拡大再生産」を極限まで濃縮したようなゲームです。この時点で面白くないわけがないのですが、それだけではここまでのハマり具合を説明できません。

いつもの議論を始めましょう。

Factorioには、プレイヤーに「英雄の旅」をさせるような工夫が要所要所に詰まっているように感じています。そしてそれは、特にSpace Age拡張で顕著であるように思います。

開拓済みの惑星は「日常の世界」、未開拓の惑星は「非日常の世界」であり、惑星特有のアンロックを「霊薬」として持ち帰る、しかし本当の恵みはプレイヤースキルの改善だった、という構造です。

例えば、私にとってのVulcanusの旅はこんな感じでした。

  • 最初の境界を超える
    • Vulcanusへの降下。
  • クジラの腹の中
    • 出来立ての採掘ドリルをクソデカワームに破壊される。
  • 試練の道
    • 工場の拡張。タングステン鉱床を入手するには、安全地帯の資源が尽きる前に大砲を作成してクソデカワームを倒さなければならない。
  • 最も危険な場所への接近
    • クソデカワームの討伐。
    • ワームに集中砲火を浴びせてぶち殺した時のカタルシスは最高だった。
  • 帰還の境界超え
    • ロケットサイロの作成と、宇宙プラットフォームへの帰還。
  • 二つの世界の導師
    • 文字通り。NauvisとVulcanusの技術や建物を利用できるようになった。

大きなドリル、緑ベルト、スピードモジュール3 といった便利なアイテムを入手できたのは確かに嬉しいものの、本当に得た恵みは「新たな惑星に降り立って帰還する流れを掴んだ」ことだったと思います。

FulgoraとGlebaは自分の中で「回路ネットワークを学ぶ」という一つのテーマにまとまっています。回路ネットワークの活用は、Fulgoraの寿司ベルト上のアイテム数を管理したり、最終処分場に送られるアイテムが過剰に増えたらアラートを発報したりといった使い方から始めました。

これらは「あると便利」くらいのものでしたが、Glebaではそのような工夫が必須となり、より高度で堅牢なシステムを構築する方法を(痛みとともに)学ぶことになりました。

Factorioは表向き限界まで効率を求めるドライなゲームに見えます。が、上述したようなプレイヤー独自の旅の基盤として機能するよう、ゲームバランスに細心の注意を払っていることも(あるいはそれこそが)Factorioの面白さに繋がっているのではないでしょうか。

あなたも夜のない世界へ

Factorioは面白いです。もしあなたがエンジニアで、Civilizationにハマったことがあり、特に内政をゴニョゴニョするのが好きな人であれば、Factorioがあなたの人生を破壊することは間違いありません。絶対にプレイしてはいけません。

工場は成長しなければならない。

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