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MBTIとエニアグラム

最近、友人が MBTI っていう性格診断にハマっている。性格が ENFP みたいな 4 文字のアルファベットで表されるやつと言えば、もしかしたらやったことがあるという人もいるかもしれない。

自分もオンラインで診断してくれるやつをやったのだけど、結構当たっているように思えてしまった。

正直バーナム効果とかでしょという感も否めないが、キャラクターのアーキタイプ分析みたいな感じで活用する分には結構有益かもしれない。 実際、 キャラクター性格診断スレまとめ Wikiなんていう面白いものもある。

ここには 2ch 上で「このキャラクターが性格診断を受けたらこういう結果になるだろう」って議論の結果がまとまっていて、この Wiki でも MBTI とエニアグラムを取り扱っている。

いまのところ、性格診断の 2 大巨頭というと 16 類型診断(MBTI もどき)とエニアグラムらしい。というわけでこの記事にはこの 2 つの性格診断について調べたことと思ったことを書いておきます。

私は心理学とか精神分析とかの資格は一切持っていません。この記事に書かれていることは、私がネットや本で調べたことをまとめただけのものであり、この記事を読んだことでどんな不都合が生じても、私は責任を負えません。どうか鵜呑みにしないでください。

どんなものか知る前にテストを受けたほうが先入観とか無くていいかもしれません。診断してみたい方はこちらをどうぞ。

16類型診断: 16Personalities

エニアグラム: 日本エニアグラム学会

16 類型診断(MBTI もどき)

このタイプの診断はしばしば MBTI と呼ばれているが、これは商標なのでこの記事ではこれ以降「16 類型」診断という名前で呼ぶことにする。 ちなみに MBTI は Myers–Briggs Type Indicator(マイヤーズ=ブリッグス・タイプ指標)の略で、ブリッグスさんとその娘のマイヤーズさんによって 1962 年に開発された診断テスト。

診断結果は、2 通り x4 要素=16 タイプに分かれる。 4 つの要素はそれぞれアルファベットで表され、これを組み合わせて「INTJ」とか「ESFP」みたいな形で診断される。

興味情報処理判断外界への態度
E:外向的S: 感覚的T: 思考的J: 判断的
I:内向的N: 直感的F: 感情的P: 知覚的

各要素の概要

超簡単に各要素が何を示すかまとめてみた。4 問しかない診断テストとしても使えるかもしれない。

興味 (Extroverted / Introverted)

興味関心の方向。

今期アニメを制覇するぜ!ならたぶん外向的。 昔のアニメを 100 週するぜ!ならたぶん内向的。

情報処理 (Sensing / iNtuition)

どのようにものごとを見るか。 すごく雑に言えば、ミクロ視点重視かマクロ視点重視か。

単推しならたぶん感覚的。 箱推しならたぶん直感的。

判断 (Thinking / Feeling)

判断の仕方。 文字通り思考を重視するか、感情を重視するか。

外界への態度 (Judging / Perceiving)

外界の情報を得ることと、判断することのどちらの機能に重きを置くか。

計画を練るタイプならたぶん判断的。 あえて計画を練らないタイプならたぶん知覚的。

所感

そもそもがユング派の心理学から派生している診断らしいので、なんか権威はありそう。

ちなみに私は

INTP でした。典型的な研究者タイプらしく、頭の中にアイディアが溢れて行動に移せなかったり、議論で相手を論破することが好きだったりするそうです。 確かに合ってる気もする。

同じタイプっぽい人はキャラクター性格診断スレまとめ Wiki曰く

  • 小倉しおん(まちカドまぞく)
  • タイリクオオカミ(けものフレンズ)

などなど。確かにこの 2 人にはシンパシーを感じます。

エニアグラム

エニアグラムを象徴する九芒星

エニアグラムは 1950 年代に精神教師のオスカー・イチャソという人が作ったとされている。

最も基本的な診断では性格を 9 タイプに分ける。 タイプは 1 から 9 まである。

これらのタイプ分けは、根源的には「囚われ」、すなわち幼少期に刻まれた恐怖がベースとなっている。

それぞれ以下のような「囚われ」を持つ。

タイプ囚われ
1正しくなければならない。
2必要とされなければならない。
3成功しなければならない。
4非凡でなければならない。
5有能でなければならない。
6規範に従わなければならない。
7苦痛を回避しなければならない。
8勝たなければならない。
9面倒は回避せねばならない。

例えばタイプ 5 は、「自分は無力だ」と感じることが一番の恐怖である。その結果として「有能でありたい(周りからそう見られたい)」「知識や資源をひたすら溜め込みたい」という傾向が生じる。

また、「囚われ」は自身がそうなるのを最も恐れる状態であると同時に、精神状態が芳しくないときに他の人に向ける攻撃性でもあるらしい。 つまり、「自分がされて嬉しいことは他人にもせよ」の逆で、「自分がされたら最も嫌なことを他人にしてしまう」のだという。

例えば「周囲の人から無能だと思われたくない」タイプ 5 は、他者へ攻撃性を向けるとき、「相手を無能とみなす、自身が無能だと感じさせる」ような行動を取る、とか。 キャラクターの動機とかを考えるにあたっては、エニアグラムによる診断はとても便利かもしれない。

エニアグラムでは、単に「あなたはタイプ 5 です」と診断するだけでなく、数字を組み合わせてより詳細な診断をすることもできる。それらも以下に紹介する。

ウィングつきエニアグラム

ウィング付きバージョンでは、上記の診断で得たタイプの両翼の数字(タイプ 9 なら 8 か 1)の内どちらかより当てはまる方を診断結果に付け足す。

例えばベースとなる診断でタイプ 5 となった場合、その人は更に「5w4」か「5w6」でもある。タイプ 4 の要素が強ければ「5w4」、タイプ 6 の要素が強ければ「5w6」となる。

これによって、同じタイプの中でもより細かい診断が可能になる。 一例として「5w4」と「5w6」の特徴を比較してみると、こんな感じになるらしい。

5w45w6
因習を打破する人問題解決者
革新保守
芸術科学
ファンタジーオタクSF オタク
箱が見えない箱の外側で思考しようとする

すべての組み合わせの数は 18 となり、全部書くのはしんどいのでこの辺をご覧ください。

タイプの解説(エニアグラム) - キャラクター性格診断スレまとめ Wiki

トライタイプ

トライタイプは、キャサリン・チャーニック・フォーブルという人が提唱した比較的新しいエニアグラムの活用法である。

トライタイプでは、まず各タイプを以下のようにグループ分けする。

タイプセンター
2,3,4感情センター
5,6,7思考センター
8,9,1本能センター

各グループから最も当てはまるものを 1 つずつ取り出し、そうして得られた 3 つのタイプの組を診断結果とする。

例えば、

  • 感情はタイプ 4 的
  • 思考はタイプ 5 的
  • 本能はタイプ 9 的

な人は、「459」として診断される。

すべての組み合わせの数は 27 通りとなり、やはり全部書くのはしんどいので 3 例だけ取り上げる。

タイプ特徴
145研究者。哲学好き。内省的。
458人文学者。シニカル。探究心が強い。
459瞑想家。自己完結。

更にこの数字の組は、タイプに当てはまる順に並べた順序集合として扱うこともできるらしい。その場合、すべての組み合わせは 162 通りとなり、もはや例を取り上げるのもめんどくさい。

発達段階

エニアグラムには、あるタイプの人が精神の発達段階を進む/戻るとどんな状態になるかという概念もある。

例えばタイプ 5 は、発達段階を戻る(病む)と

  • 世界とのつながりを断って孤立しようとする
  • 現実逃避
  • 自殺

等の兆候が現れる。逆に発達段階を進む(囚われから解放されている)と

  • 知識や技能の獲得により自身を強化する
  • 恐怖から自らを守る方法を開発する
  • 情け深い

状態になる。

所感

16 類型診断よりもスピリチュアルな印象が強い。タイプを 1 から 9 まで円状に並べた図形に宇宙の神秘を見出していたり、カバラやなんやらとの関連性を主張していたりする記事もあったりして、そのへんは正直だいぶ眉唾ものに感じる。

参考のために図書館で読んだ本でも、最終的に「今・ここに集中する禅の精神を持とう」みたいな話になっていて、ちょっと大丈夫かなという気持ちになってしまった。

しかし、タイプごとの特徴分け自体については結構納得いくものがあった。

ちなみに私は

「5」「5w4」「549」でした。

4,5,9 はいずれも各センターの中で最も内向的なタイプらしく、これら 3 つが合わさって最強の陰キャになるようです。

ウィングまでが同じタイプっぽい人はキャラクター性格診断スレまとめ Wiki曰く

  • 千代田桃(まちカドまぞく)
  • タイリクオオカミ(けものフレンズ)

などなど。

千代田桃が 5w4 というのはとてもわかるところで、今後に備えるため魔力外装に機能性を求めてクソダサマウンテンと化す様子はいかにもタイプ 5 的だし、 6 巻 P188(74 丁目)で語った「他人の営みに興味なんて無かった」という言葉はタイプ 4 的だ。

考察

スピリチュアル感が気に入らないものの、創作や考察に使うならば、16 類型診断よりエニアグラムの方が向いているように思った。

キャラクターを創造する上で「そのキャラクターが最も恐れることはなにか?」みたいな問いを立てるのはほぼ必須だと思うのだけど、それはつまり「そのキャラクターの囚われはなにか」という問いとほぼ同じだ。 そして、囚われが決まればタイプが決まり、そのキャラクターが不健全な状況と健全な状況での典型的な振る舞いまで理解することができる。

これは結構すごいことな気がする。

更に考察というか思いつき

古明地姉妹ってもしかしてこの二つの性格診断と関係あるのかもしれない。 ユング派の古明地こいし、トラウマを掘り返す古明地さとり。

This post is licensed under CC BY-NC 4.0 by the author.

「ライターズジャーニー」における英雄の旅の構造を用いたまちカドまぞく3巻(2丁目)分析

まちカドまぞく考察: ヒーローズ・ジャーニーを用いた2丁目6話までのより詳細な分析