ジョーセフ・キャンベルが『千の顔を持つ英雄』の中で語った「英雄の旅」についてまとめる。
概要
『千の顔を持つ英雄』の中で、キャンベルは、神話的な物語がしばしば基本的な構造を共有しているという理論を探求している。彼は典型的な物語のモチーフを「単一神話」(モノミス)あるいは「英雄の旅」(ヒーローズ・ジャーニー)と呼んでいる。
英雄の旅をざっくり説明すると、以下のような構造になる。
- 【出立】英雄はごく日常の世界から、自然を超越した不思議の領域へ冒険に出る。
- 【イニシエーション】そこでは途方もない力に出会い、決定的な勝利を手にする。
- 【帰還】そして仲間に恵みをもたらす力を手に、この不可思議な冒険から戻ってくる。
もう少し細かく説明してみよう。
「英雄の旅」は普通の世界から始まる。冒険への召命を受け、彼は普通の世界から離れなければならない。 師の助けを借りて、ヒーローは境界を越え、慣れ親しんだ法則や秩序が適用されない超自然的な世界へと導かれる。 そこで主人公は試練の道に入り、途中で試練を受ける。 典型的な英雄はしばしば協力者によって助けられる。 やがて英雄は、旅の最大の課題に直面する。課題に立ち向かい勝利することで、英雄には何らかの報酬や恩恵が与えられる。 英雄はこの恩恵をもって普通の世界に戻る決心をしなければならない。帰還の過程でさらに試練に直面するが、それをも超えて帰還の境界超えを果たすことで、冒険で得た恩恵を日常の世界に役立てる。
ここで注意したいのが、キャンベルが発見したのは物語のルールではなく傾向であるということだ。
キャンベルは全ての物語が正確に順序どおりにこの流れに沿っているとは主張していない。いくつかのステージは欠けるかもしれないし、順序が変わるかもしれない。 あるいは、主役がステージごとに変わるかもしれない。
(あとでかく)