最近、シムランカのOSTを聴いています。
問題は、これをしていると希死念慮が高まってくることです。
私とシムランカ
シムランカは、私が初めて体験した原神の大規模イベントでした。原神をインストールし、モンド編をクリアして参加条件を満たしたのがイベント終了の3日前。そこから、シムランカが閉鎖されるまでに全てを見ようと、ぶっ続けで20時間くらいプレイして気絶して…という生活を送っていました。
当時はイベントに出てくるキャラクターの誰も知らなかったけど、とにかく楽しかった。特に最終エリアの「砕けた海」の景色と音楽は本当に素晴らしかった。おそらく終着点である謎の隠し部屋にたどり着いたあと、探索の手を止め、椅子に座ってぼーっと景色を眺めていた記憶があります。
この頃ちょうど、リアルでの生活にも色々とありました。今振り返ると、当時は全てがシンプルで平和でした。シムランカ自体が童話の世界ということもあり、シムランカを思い出すと「二度と帰ることのできない懐かしい世界」みたいな気持ちになってしまうのです。サウダージってやつかも。
なぜ?
問題は、何故死にたくなってくるのかということです。
何故、美しい曲を聴くと死にたくなるのか。考えてみると意味がわかりません。しかし、美しい曲が希死念慮を呼び起こすというのは、どうも私のクセのようです。この奇妙さに初めて気づいたのは、「少女終末旅行」の「終ワリノ歌」についてでした。
ある日、ラーメンを食べた帰りに、ふとこの曲が脳内に流れ出し、急速に「今すぐ死にたい」という気持ちが増してきたのです。練炭やロープを購入しに行くような、積極的に死を求めるような衝動ではなく、この瞬間に、何らかの理由で突然、意識とか自我といった認知能力が停止してくれたら良いな、という消極的な衝動です。
このことを友人に話したところ、「少女終末旅行は生きる喜びを教えてくれる作品じゃないか。なぜそれを思い出して死にたくなるんだ?」と指摘されました。
全くもって正当な指摘です。本当に、一体なぜなんでしょう。
一つの仮説としては、時の流れの残酷さみたいなものを提示されると、私の精神が耐えられなくなるのかもしれません。
少女終末旅行は、基本的に全てが終わった世界を移動する、そしてその移動すらも、やがて終了する物語でした。終わりを迎えてしまう前に、楽しい瞬間のまま時間が止まってほしい。そんな気持ちが、希死念慮に繋がっているのかもしれません。
シムランカの体験は、この仮説をさらに補強するように思います。あれは期間限定のイベントでした。つまり、「いつか必ず終わり、二度と体験できなくなる」ことが最初から決まっていたのです。
楽しければ楽しいほど、終わりが近づく寂しさは増していきます。そしてイベントが終了した今、あの楽しかった日々は完全に過去のものとなりました。音楽を聴くことで呼び起こされるのは、楽しかった記憶そのものであると同時に、「あの楽しさはもう失われた」という残酷な事実でもあります。
美しい思い出が、今は手の届かない場所にある。もしかしたら、私の希死念慮の正体は、この強烈な喪失感なのかもしれません。
だとしてもなぜ、美しい思い出に到達できないことが、死を求めることに繋がるのか。これがやっぱりわかりません。
Geminiに聞いたら、こんな回答を返してくれました。
- 過去の理想化と現在の否定:
- サウダージに囚われると、失われた過去が「完璧で幸福な世界」として記憶の中で美化されます。それに比べて、その対象を失った現在は「不完全で、色あせた、価値のない世界」に感じられます。
- 「あの頃」以外は無意味:
- 幸福の基準がすべて過去になってしまい、「あの人がいなければ」「あの場所に戻れなければ」「あの頃のようでなければ」生きている意味がない、という思考に陥ります。
- 取り戻せないことへの絶望:
- サウダージの対象は、本質的に「取り戻せない」ものです。その事実を突きつけられ続けることで、未来に対する希望が完全に失われ、深い絶望感に襲われます。
これらは全て正しい気がしつつも、何か根本的な理屈が欠けているように思います。
原理はよくわからないものの、不健康なクセであることは間違いありません。こういう気持ちになった時は、「終わったことを嘆くのではなく、それが起きたことに感謝せよ」という言葉を思い出すようにしていきたいです。
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